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派遣の指揮命令者とは?役割や派遣先責任者との違い・選任時の注意点を解説

「派遣社員を受け入れるとき、指揮命令者は誰が担当すればよいの?」

「指揮命令者と派遣先責任者は、何が違うの?」

こうしたお悩みを抱えていませんか?

派遣社員を受け入れる際は、派遣契約に、指揮命令者に関する事項を定めます。指揮命令者は、現場で派遣社員に業務を指示する役割を担うため、誰がなるかによって、受け入れの質が大きく変わります。

そこで本記事では、派遣における指揮命令者の基本から、主な役割、派遣先責任者・苦情申出先との違い、選ぶ基準、注意点までを解説します。派遣社員を受け入れる準備の参考にしてください。

▼この記事でわかること

  • 派遣における指揮命令者とは
  • 派遣における指揮命令者の主な役割
  • 派遣先企業が指揮命令者を選ぶ基準
  • 指揮命令者が注意すべきポイント
  • 派遣における指揮命令者に関するよくある質問

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派遣における指揮命令者とは?

派遣における指揮命令者とは?

派遣における指揮命令者とは、派遣先で派遣社員に直接、業務の指示をする人のことです。派遣社員が働く現場の上司や、チームのリーダーなどが担当します。

派遣社員は、派遣元(派遣会社)と雇用契約を結び、派遣先の指揮命令を受けて働きます。そのため、派遣先で、日々の業務について指示を出す人を、あらかじめ決めておく必要があります。

派遣先と派遣元が結ぶ労働者派遣契約には、「派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項」を定めます。契約書には、指揮命令者の部署や役職、氏名などを記載するのが一般的です。

出典:労働者派遣法 第26条第1項第3号

指揮命令者と派遣先責任者・苦情申出先の違い

派遣先には、指揮命令者のほかに、派遣先責任者と苦情申出先という役割があります。三者は、担当する内容が異なります。

違いは、下記の表のとおりです。

項目

指揮命令者

派遣先責任者

苦情申出先

役割

派遣社員に直接、業務を指示・指導する

派遣社員の就業管理を、事業所単位で一元的に行う

派遣社員からの苦情を受け付ける

選任の位置づけ

派遣契約に記載する事項

事業所ごとに選任が必要(労働者派遣法第41条)

派遣契約の「苦情処理」に関する事項として定める

主な担当者

現場の上司、チームリーダー

人事・総務の担当者、管理職など

人事・総務の担当者、派遣先責任者など

現場との距離

近い(日常的に接する)

事業所全体を管理する立場

派遣社員が相談しやすい立場

派遣先責任者の職務には、指揮命令者などに対して、派遣法の規定や派遣契約の内容を周知することが含まれます。また、派遣社員からの苦情の処理も、派遣先責任者の職務の一つです。

一方、指揮命令者は、派遣先責任者から周知された内容を踏まえ、派遣契約の範囲内で日々の業務を指示します。

なお、製造業務専門派遣先責任者については以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご参照ください。

>>製造業務専門派遣先責任者とは?選任基準や役割・派遣先責任者との違いを解説

派遣における指揮命令者の主な役割

派遣における指揮命令者の主な役割

指揮命令者には、派遣社員が適切に働けるよう、現場で管理する役割があります。ここでは、主な役割を3つ紹介します。

▼派遣における指揮命令者の主な役割

  • 役割①|派遣社員への業務指示・指導
  • 役割②|派遣社員の勤怠・労働時間の管理
  • 役割③|派遣社員の就業環境・安全衛生の管理

役割①|派遣社員への業務指示・指導

指揮命令者の最も大きな役割は、派遣社員への業務指示と指導です。派遣社員は、派遣先の指揮命令を受けて働くため、日々の業務の指示は、指揮命令者が担います。

例えば、その日の作業内容や優先順位、仕事の進め方、品質の基準などを伝えます。業務に慣れるまでは手順を丁寧に教え、わからない点を質問しやすい雰囲気をつくることも大切です。

指示は、派遣契約で定めた業務の範囲内で行いましょう。

役割②|派遣社員の勤怠・労働時間の管理

指揮命令者は、派遣社員の日々の勤怠や労働時間の確認も担当する場合があります。派遣先企業には、派遣社員の就業日や始業・終業時刻、休憩時間などを把握し、派遣先管理台帳に記録する義務があるためです。

例えば、日々の出退勤状況や実際の労働時間を確認し、記録に必要な情報を共有します。契約で定めた就業時間を超える場合は、派遣元との調整も必要です。

なお、派遣先管理台帳の作成・記録・保存に関する業務は、派遣先責任者の職務に含まれます。指揮命令者は、派遣先責任者と連携し、勤怠情報を正確に管理しましょう。

役割③|派遣社員の就業環境・安全衛生の管理

指揮命令者は、派遣社員が安全に働けるよう、現場での安全指導や就業環境の確認もします。派遣先企業には、派遣社員の安全衛生を確保するための責任があるためです。

例えば、設備の使い方や危険な作業の注意点、保護具の着用ルールなどを伝えます。作業中に危険な状況が発生していないかを確認し、必要に応じて改善を促すことも重要です。

なお、安全衛生に関する業務は、派遣先責任者や安全衛生の担当者が担う場合もあります。指揮命令者は、現場で問題を発見した際に、関係者と連携して対応することが大切です。

派遣先企業が指揮命令者を選ぶ基準

派遣先企業が指揮命令者を選ぶ基準

指揮命令者は、派遣社員の受け入れ先の現場で、重要な役割を担います。ここでは、派遣先企業が指揮命令者を選ぶ際の目安となる3つの基準を紹介します。

▼派遣先企業が指揮命令者を選ぶ基準

  • 基準①|派遣社員と同じ部署に所属している
  • 基準②|派遣社員が担当する業務内容を理解している
  • 基準③|派遣先企業に直接雇用されている

なお、いずれも実務上の目安であり、法律で定められた資格要件ではありません。

基準①|派遣社員と同じ部署に所属している

指揮命令者は、派遣社員と同じ部署に所属する人を選定しましょう。日常的に接する人であれば、業務の状況や困りごとに気づきやすいためです。

例えば、派遣社員が作業中にわからないことがあっても、近くに指揮命令者がいれば、すぐに質問できます。一方、別の部署にいる人が担当すると、現場の状況を把握できず、指示が遅れる可能性があります。

業務を一緒に進める直属の上司やリーダーを選びましょう。

基準②|派遣社員が担当する業務内容を理解している

指揮命令者は、派遣社員が担当する業務の内容を理解している人が適しています。業務の手順や品質の基準を的確に伝える必要があるためです。

業務を理解していないと、指示があいまいになり、ミスや手戻りが増えます。また、契約で定めた業務の範囲を把握していないと、範囲外の作業を指示してしまうおそれもあります。

派遣契約の内容と、現場の業務の両方を把握している人を選びましょう。

基準③|派遣先企業に直接雇用されている

指揮命令者は、派遣先企業に直接雇用されている社員から選ぶのが基本です。派遣先の指揮命令者として、責任をもって業務の指示や管理をする立場にあるためです。

別の派遣社員に指揮命令者を任せると、派遣先としての管理体制が不明確になります。トラブルが起きたときの責任の所在も、あいまいになりかねません。

そのため、派遣先の社員から指揮命令者を選任しましょう。

指揮命令者が注意すべきポイント

指揮命令者が注意すべきポイント

指揮命令者は、現場で派遣社員と直接関わるため、守るべきルールがあります。ここでは、特に注意したい4つのポイントを紹介します。

▼指揮命令者が注意すべきポイント

  • ポイント①|派遣社員の受け入れ環境を整える
  • ポイント②|指揮命令者と指示系統を関係者に周知する
  • ポイント③|派遣契約で定められた業務範囲を守る
  • ポイント④|雇用契約に関する条件を独断で伝えない

ポイント①|派遣社員の受け入れ環境を整える

指揮命令者は、派遣社員が働き始める前に、受け入れの環境を整えておくことが大切です。準備が不十分だと、派遣社員が戸惑い、本来の力を発揮しにくくなるためです。

例えば、次のような準備があります。

  • 席や作業場所、必要な設備や備品を用意する
  • 業務の内容や流れを、事前に整理しておく
  • 部署のメンバーに、派遣社員の受け入れを伝える
  • 就業初日に、職場のルールや安全上の注意点を説明する

受け入れの準備が整っていれば、派遣社員も早く職場になじめます。

ポイント②|指揮命令者と指示系統を関係者に周知する

誰が指揮命令者なのか、指示系統はどうなっているのかを、関係者に周知しておきましょう。複数の人が別々に指示を出すと、派遣社員が混乱するためです。

例えば、部署のメンバーがそれぞれ直接指示を出すと、優先順位が食い違い、派遣社員が判断に迷います。誰に報告し、誰に相談するのかも、明確にしておく必要があります。

派遣社員と部署のメンバーの両方に、指揮命令者を伝えましょう。

ポイント③|派遣契約で定められた業務範囲を守る

指揮命令者は、派遣契約で定められた業務の範囲を守って指示を出す必要があります。契約にない業務をさせると、法令違反になるおそれがあるためです。

例えば、契約では事務作業のはずが、別の部署の営業の手伝いまで頼んでしまうようなケースです。契約外の業務を指示することは、避けなければなりません。

また、違法な派遣を受け入れた場合、派遣先が派遣社員に労働契約を申し込んだとみなされる「労働契約申込みみなし制度」の対象になることがあります。業務の範囲を、あらかじめ確認しておきましょう。

ポイント④|雇用契約に関する条件を独断で伝えない

指揮命令者は、派遣社員の雇用契約に関する条件を、独断で伝えてはいけません。派遣社員の雇用主は派遣元であり、賃金や契約期間などの条件は、派遣元との間で決まるためです。

例えば、「契約を延長する」「直接雇用する」「時給を上げる」といった発言を現場の判断で伝えるのは避けましょう。派遣元との間でトラブルになるおそれがあります。

こうした話が出た場合は、派遣先責任者や派遣元に確認しましょう。

派遣における指揮命令者に関するよくある質問

派遣における指揮命令者に関するよくある質問

指揮命令者については、選任の人数や兼任など、判断に迷う点も少なくありません。ここでは、よくある質問に回答します。

▼派遣における指揮命令者に関するよくある質問

  • 質問①|指揮命令者は複数名選任できますか?
  • 質問②|指揮命令者と派遣先責任者は兼任できますか?
  • 質問③|指揮命令者と苦情申出先は同一人物でも問題ありませんか?

質問①|指揮命令者は複数名選任できますか?

はい、指揮命令者は複数名を選任することも可能です。労働者派遣法では、指揮命令者の人数を1名に限定する規定はありません。

例えば、シフト制で勤務する場合や、業務ごとに担当者が異なる場合などは、複数名で指示する体制が考えられます。その際は、派遣元と事前に調整し、各指揮命令者の担当業務や指示系統を明確にしておきましょう。

質問②|指揮命令者と派遣先責任者は兼任できますか?

はい、指揮命令者と派遣先責任者は兼任できます。労働者派遣法では、両者の兼任を禁止する規定はありません。

ただし、それぞれの役割は異なります。指揮命令者は日々の業務指示を担当し、派遣先責任者は派遣元との連絡調整や苦情対応などを担います。

兼任する場合は、双方の役割を理解し、適切に対応できる体制を整えることが大切です。

質問③|指揮命令者と苦情申出先は同一人物でも問題ありませんか?

法律上、指揮命令者と苦情申出先の兼任を明示的に禁止する規定は確認できませんが、別の担当者を選任することが望ましいとされています。

派遣社員の苦情には、指揮命令者に関するものが含まれる可能性があるためです。指揮命令者本人が窓口では、派遣社員が相談しにくくなるおそれがあります。

苦情を申し出やすい環境を整えるためにも、人事・総務の担当者や派遣先責任者など、指揮命令者とは別の人を窓口にすることをおすすめします。

まとめ

まとめ

指揮命令者は、派遣先、派遣社員に直接、業務を指示する人です。業務の指示・指導、勤怠・労働時間の管理、就業環境・安全衛生の管理が主な役割です。

指揮命令者を選ぶ際は、同じ部署の社員で、業務内容を理解している、直接雇用の社員を選ぶのが目安になります。

注意点として、受け入れ環境の整備、指示系統の周知、契約で定めた業務範囲の遵守、雇用条件を独断で伝えないことが重要です。派遣社員が力を発揮できる職場にするため、指揮命令者の選任と役割を、あらためて確認しましょう。

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