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製造の請負と物品購入の違いとは?判断基準や具体例・印紙税の扱いについて解説

「製造の請負と物品購入、契約書はどちらに分類されるの?」

「印紙税の課税対象になるの?」


このような疑問をお持ちではありませんか。


製造業の取引では、発注する内容によって、契約が「製造の請負」に該当するのか、それとも「物品購入(売買)」に該当するのかが分かれます。この違いは、印紙税の有無にも関わるため、正確に理解しておくことが大切です。


本記事では、製造の請負と物品購入の基本的な違いや判断基準、ケース別の具体例、印紙税の扱いまで詳しく解説します。契約書の分類にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。


▼この記事でわかること

  • 製造の請負と物品購入の違い

  • 製造の請負と物品購入を判断するポイント

  • 【ケース別】製造の請負と物品購入の具体例

  • 製造の請負と物品購入における印紙税の扱い

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製造の請負と物品購入の違い

製造の請負と物品購入の違い

製造の請負と物品購入は、いずれも企業間の取引で頻繁に発生する契約形態ですが、契約の目的や性質が異なります。まずは、両者の違いを表で整理します。


項目

製造の請負

物品購入(売買)

契約の主な目的

発注者の仕様に基づき物を完成させること

既製品・規格品の所有権を移すこと

代表例

オーダーメイドの機械・部品の製造

カタログ品・規格品の仕入れ

契約の性質

仕事の完成に対して報酬を支払う契約

物と代金を交換する契約

印紙税

契約書が課税対象となる場合が多い

動産の売買契約書は原則非課税

製造の請負とは|発注者の仕様に基づいて物を完成させる契約

製造の請負とは、発注者が指定した仕様や図面に基づいて、受注者が物を製造し完成させることを約束する契約です。民法第632条では、請負契約を仕事の完成と報酬の支払いを約束する契約と定めています。


発注者独自の設計に基づく機械部品の製造や特注仕様の設備の製作などが、製造の請負に該当する典型例です。物品購入との大きな違いは、物の所有権移転ではなく、仕事の完成に重点が置かれている点です。


なお、製造請負については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご参照ください。


>>製造請負とは?業務委託との違いやメリット・デメリット、委託企業の選定ポイントまで解説


物品購入(売買)とは|既製品・規格品の所有権を移す契約

物品購入(売買)とは、すでに完成している既製品や規格品を対象に、その所有権を代金と引き換えに移転する契約です。


例えば、汎用部品や市販の工具、規格化された資材の仕入れなどが挙げられます。


なお、売買契約の対象は、すでに完成している物品に限られません。メーカーがあらかじめ定めた規格に従い、注文を受けてから製造する製品も、売買契約に該当する場合があります。


そのため、製造の請負と物品購入は、製品が完成しているかどうかだけではなく、契約の目的や取引の内容を踏まえて区別する必要があります。


製造の請負と物品購入を判断するポイント

製造の請負と物品購入を判断するポイント

実際の取引では、製造の請負と物品購入の区別が曖昧になるケースも少なくありません。ここでは、判断の目安となる4つのポイントを紹介します。


▼製造の請負と物品購入を判断するポイント

  • ポイント①|発注者が仕様・規格を指定しているか

  • ポイント②|既製品・規格品を購入する取引か

  • ポイント③|材料をどちらが用意するか

  • ポイント④|製造・加工・取付などの作業が含まれているか

ポイント①|発注者が仕様・規格を指定しているか

発注者独自の仕様や図面に基づいて製品を製造してもらう場合は、製造の請負に該当する可能性があります。


例えば、自社の生産ラインに合わせて機械の寸法や構造を指定し、専用設備を製作してもらうケースです。この場合、単に製品を購入するのではなく、発注者が求める仕様に沿って製品を完成させることが契約の目的となります。


そのため、発注者が製品の寸法や構造、性能などを個別に指定し、その要求に応じた製造が契約の中心となっているかを確認しましょう。


ポイント②|既製品・規格品を購入する取引か

すでに市場に流通している既製品や、メーカーが定めた規格に沿った製品を購入する取引は、物品購入に分類されるのが基本です。また、注文を受けてから製造する製品であっても、メーカーがあらかじめ定めた規格品を供給する契約であれば、物品購入に該当する場合があります。


一方、発注者独自の仕様や図面に基づいて個別に設計・製造する取引は、製造の請負に該当する可能性があります。そのため、製造のタイミングだけでなく、製品の仕様や契約内容を確認することが大切です。


ポイント③|材料をどちらが用意するか

発注者が材料の全部または主要部分を支給し、受注者がその材料を使って製品を製作する場合は、原則として製造の請負に該当します。


一方、受注者が材料を用意する場合は、発注者独自の設計や仕様に基づいて製造するのか、あらかじめ定められた規格品を供給するのかをチェックすべきです。国税庁の事例では、前者を製造の請負、後者を物品購入として区分しています。


なお、これらは印紙税法上の判断基準です。実際の契約では、契約書の内容や取引の実態も確認する必要があります。


ポイント④|製造・加工・取付などの作業が含まれているか

製造・加工・取付などの作業が含まれる場合は、契約で何を完成させる約束になっているかを確認しましょう。


例えば、既製品の機械を購入するだけなら物品購入ですが、購入した機械を現地で設置し、配管工事まで依頼する場合は、工事部分が請負に該当するケースがあります。そのため、契約書で製品の納品だけを約束しているのか、設置工事などの完成まで約束しているのかを確認すべきです。


なお、国税庁の事例では、大型機械の取付けは請負、特別な技術を必要としない簡単な取付けは売買に該当する事例として示しています。このように、取付作業の有無だけでなく、作業の内容も判断材料になります。


【ケース別】製造の請負と物品購入の具体例

【ケース別】製造の請負と物品購入の具体例

ここでは、実務でよく見られる5つのケースを取り上げ、製造の請負・物品購入それぞれの分類の考え方を紹介します。


▼【ケース別】製造の請負と物品購入の具体例

  • 既製品・規格品をそのまま購入する場合

  • 自社仕様の機械や部品を製造してもらう場合

  • 発注者が材料を支給して製造してもらう場合

  • 既製品に簡単な加工をしてもらう場合

  • 物品の購入と取付・加工をまとめて依頼する場合

既製品・規格品をそのまま購入する場合

カタログに掲載された規格品や、市販されている汎用部品をそのまま購入する場合は、物品購入に分類されます。受注者側での個別の設計・製造工程を伴わず、発注者はあらかじめ決められた仕様・価格の商品を選ぶだけの取引だからです。


このケースでは、契約書の性質としても、通常の売買契約に近い形で整理されるのが一般的です。


自社仕様の機械や部品を製造してもらう場合

発注者独自の図面や仕様書に基づき、受注者が機械や部品を新たに製造する場合は、製造の請負に該当します。発注のたびに設計内容が異なり、仕事の完成そのものが契約の目的となっているためです。


こうしたオーダーメイドの製造は、製造業における請負契約の典型的なケースといえます。


発注者が材料を支給して製造してもらう場合

発注者が材料を提供し、受注者がその材料を加工・組み立てして製品を完成させる、いわゆる「支給材」による製造も、製造の請負に分類されるのが一般的です。受注者が担うのは、あくまで加工・製造という「仕事」の部分だからです。


このケースでは、材料費と加工費を分けて契約書に記載するかどうかも、実務上のポイントになります。


既製品に簡単な加工をしてもらう場合

既製品に穴あけや刻印などの加工を依頼する場合は、契約の目的によって判断が異なります。


例えば、発注者が所有する金属部品を加工業者に渡し、穴あけ加工を依頼する契約は、請負に該当します。一方、販売業者から既製品を購入する際に加工も依頼するケースでは、製品の売買と加工のどちらが契約の主な目的なのかが判断のポイントです。


国税庁の事例でも、修理や加工を目的とする契約を請負契約の事例として挙げています。したがって、加工が簡単だからといって、必ず売買契約になるわけではありません。


物品の購入と取付・加工をまとめて依頼する場合

物品の購入と取付・加工をまとめて依頼する場合は、作業内容や契約の目的が判断のポイントです。


例えば、大型機械の購入と現地での取付工事を一括で依頼する場合は、請負契約に該当することがあります。一方、特別な技術を必要としない簡単な取付作業であれば、売買契約として扱われるケースもあります。


なお、国税庁の事例では、大型機械の取付けは請負契約、テレビ購入時のアンテナの取付けや配線は売買契約です。


製造の請負と物品購入における印紙税の扱い

製造の請負と物品購入における印紙税の扱い

契約が製造の請負に該当するか、物品購入に該当するかは、印紙税の課税関係にも影響します。ここでは、それぞれの契約書に印紙税がかかる条件や、売買と請負が混在する場合の判断方法を解説します。


▼製造の請負と物品購入における印紙税の扱い

  • 製造の請負|契約書は印紙税の課税対象となる

  • 物品購入|単発の売買契約書は原則として印紙税がかからない

  • 売買と請負が混在する契約|契約内容から課税関係を判断する

製造の請負|契約書は印紙税の課税対象となる

製造の請負契約書は、印紙税法上の第2号文書に該当します。ただし、契約金額が1万円未満の場合は原則として非課税です。


例えば、契約金額が100万円以下(1万円以上)の場合は200円、100万円を超え200万円以下の場合は400円の印紙税がかかります。


なお、契約金額の記載がない継続的な請負契約書は、一定の要件を満たす場合、第7号文書に該当し、1通につき4,000円の印紙税がかかります。ただし、契約期間が3か月以内で、更新の定めがない契約書などは対象外です。


契約金額だけでなく、契約期間や記載内容もチェックしましょう。


参照:国税庁「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」


物品購入|単発の売買契約書は原則として印紙税がかからない

機械や部品などの動産を購入する際、単発の売買契約書には原則として印紙税がかかりません。


ただし、継続的な売買取引について基本条件を定めた契約書は、第7号文書として課税対象になるのが原則です。なお、不動産の売買契約書は第1号文書に該当するため、動産の売買契約書とは取り扱いが異なります。


売買と請負が混在する契約|契約内容から課税関係を判断する

物品の購入と取付工事をまとめて依頼する場合は、契約書に記載された売買と請負の内容を確認する必要があります。


例えば、規格品の機械を500万円で購入し、100万円の取付工事も依頼するケースで確認していきましょう。契約書の記載方法によって、印紙税の取り扱いは以下のように異なります。


契約書の記載方法

印紙税の計算対象額

印紙税額

機械代金500万円と取付工事代金100万円を区分して記載

100万円

200円

機械・取付工事一式600万円と記載

600万円

1,000円


このように、売買代金と工事代金を区分して記載するかどうかで、印紙税額が異なります。


ただし、上記は規格品の機械の販売が売買に、取付工事が請負に該当する場合の例です。契約内容によって取り扱いが異なるため、判断に迷う場合は所轄の税務署や税理士に確認しましょう。


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